Sing a song for today

明日を憂う前に、今日を生きる。今日を唄う。

【♪】2014.10.31 Base Ball Bear「Tour “二十九歳”」@ Zepp Nagoya


※ツアー中につきネタバレ注意!※

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はじめての Zepp Nagoya!最寄駅は「ささしまライブ」駅。駅名にライブって入れちゃう寄せっぷり!

史織嬢寄りのほぼセンターで見てたから、何度か史織嬢&小出さんと目が合った気分になった。笑
名古屋でもお目にかかれて幸いにございます。

★本編
①何才 / アンビバレントダンサー / PERFECT BLUE
--MC--
②そんなに好きじゃなかった / Stand by Me / Ghost Town / 抱きしめたい
--MC--
スクランブル / 方舟 / THE END
--MC--
④changes / CRAZY FOR YOUの季節 / UNDER THE STAR LIGHT / 光蘚 / 魔王

★en.
海になりたい part.2 / カナリア

★感想(セトリ)
・①『何才』『アンビバレントダンサー』の後、アルバムではこれからの希望を歌う『ファンファーレがきこえる』がきていたところ、ライブでは翔び立つ少女がモチーフの『PERFECT BLUE』が歌われる。この曲には昔の曲を殺す覚悟を感じてしまう。「アンビバレント」の後に「パーフェクト」が来るの、よくよく考えれば鳥肌。『完璧な青』とは青春のことかと思っているのだけど、哀しみも爽やかさも表せる色ということを鑑みれば、パーフェクトにアンビバレントなカラー。
・②real fictionとfictional realityが行き交うターン。現実らしい虚構と、虚構に見せた現実感。『The Cut』でバッサリやられない分、妄想が膨らむ。笑
・③交差点と海の上、2曲分たっぷり漂ったら、そんな気持ちにも終止符を打って。
“僕の人生は つづくつづく”
と現実を受けとめた『THE END』からの、
“さぁ、変わってく さよなら 旧い自分”
という『changes』の流れ、、!
・④ここで “変わった” 僕は、海みたいに笑う彼女を連れて、星の光の下を駆け抜けていく。辿り着いた “心の中” で、光蘚のような気持ちを認め、魔王と対峙する。
アルバムでは彼女を殺して「彼」を見据えたところ、ライブでは彼女を連れたまま対峙しようとしていくのが、閉じ込められたパッケージと生きた演奏の違いかもしれないなんて思った。
・他所とセトリはそんなに変わらないみたいだけど、名古屋のアンコールに『海になりたい part.2』を選んでくれたのが本当に嬉しかった。大切にしたい曲だから。
“T・H・E to the E・N・D 意識したあなたは
幸せな歌、唄えない ならば僕が唄ってあげる”

★感想(曲)
・『アンビバレントダンサー』が好きすぎて。歌い方も奏で方も色気がある。
“嘘だけどTruth 本当だけどFalsehood”
“嫌いだけどMiss you 好きだけどHate you”
・『光蘚』のときのミラーボール+レーザーが強調される演出、すこし笑った後、泣きそうになった。
・のほほんと終わった感じになったけど、最後の『カナリア』の将平さんギターパート、やっぱりエンディングテーマ感あったなぁ。
【二十九歳】インタビュー今更読んだんだけど、エンドロールって解釈、合ってた!流石に「かなりリアル」の略で「カナリア」は気づかなかったけど…!
・『スクランブル』のシティポップ感にときめきが止まらなかった。
・『UNDER〜』音に飲み込まれて気持ち良いって素直に思った。奏でる方も聴く方も頭振りまくって。史織嬢ベース上手くなったなって思った。

★感想(MC)
・長めのMCを次の曲に繋げるくだりが秀逸。小出さんのトークスキル。
「今日はハロウィンだから…皆さんBase Ball Bearファンのコスプレしてるんですよね? 似合ってますよ」「僕らもBase Ball Bearのコスプレしてまして…堀之内なんかすっかりなりきってますけど」笑
・街にゾンビのコスプレが多い→そのうちの1人にインタビューしてみた→「いままで付き合ったのは100人以上」「何故別れたの?」「そんなに好きじゃなかった」!!!MCからrealとfictionを操ってた。。
・文字で残したらいろいろまずいことも口走ってた(ように見せて計算で喋ってた?)MC、学生向けのSOLじゃ勿体無いので独自のUst配信でもして存分に語ってほしい。笑。あんなにインスタを楽しんでたのにすっかり批判的になって。。笑
・「ラブアンドポップが一番苦しかった」「『changes』が大嫌いだった」と言うくだり、聴いていてこちらも苦しくなった。と同時に、私がそのアルバムを一番好きなのも何となく納得できたり。。モヤモヤを詰め込んだガチャガチャ感が好きなのかも。

★感想(他)
・史織嬢が終始可愛くて、アラサーの人妻とは思えなくて笑、釘付けでした。アンコールで髪結んで出てきたときには人目もはばからず黄色い歓声をあげそうになりました。笑
・ダンス湯浅将平は無かったけど、気持ち良さそうにギターソロ弾いてたのが素敵でした。喋らなかったけど。
・堀くんも楽しそうにドラム叩いてて、見てるだけで笑顔になれちゃう人柄の素敵さを再認識。ハモりも上手だったなー。
・アンコール後に『CITY』がかかってたのが何より泣けた。笑。翌日ザチャレのリキッドワンマンだしね!行きたかった!ヽ(;▽;)ノ
・本当は分かってる、「普通」を歌ってるままでは今までと変わらなくて、“あの丘” に行きたいならもっと変わらなくちゃいけないってこと。でも、この辺りの感覚が好きで、自分自身抜けきれないから、ずっと彼らを追ってしまう。
“変われない僕を連れて このままで”
なんて歌ってる以上、彼らもしばらくはこのテイストから逸脱できなさそう。それがどう転ぶか分からないけど、BUMPだってずっと同じことを手を替え品を替え歌ってる訳で、その方向性でいくならとことん突き詰めてほしいなぁ、とか。ブレるくらいなら覚悟を決めて突っ走ってほしい。まだまだついていきたいから。

二十九歳(初回限定盤)(DVD付)

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【♪】嵐 13th Album【THE DIGITALIAN】:Knock it 軒並み Knock you out


「デジタルとヒューマンの融合」をテーマとしたタイトル。ちょっとよくわからな…いや、何でもないです。うん。
ベジタリアンからの「デジタル主義者」は分かったけど、エイリアンからの「デジタル人間」までは気づかなかった。

翔さんいわく「15周年」に「オリジナル」の「ニュー」アルバムを届ける、それが嵐のスタンスの全てだと。超かっこいい。
ベストアルバムを出しても良いところで「立ち止まり、振り返ることだけでは何も生まれません」なんて言えてしまう。
その一方で、リーダー振付曲や翔さん全編作詞曲がちゃんとあるのも素敵。
甘んじないで攻めていく嵐で居てくれて嬉しい。
ブックレットでは頑なにこちらを見てくれないけど。笑


01. Zero-G
"Nothing's gonna change my world"
このフレーズがポジティブな意味合いで出てくるあたり、今の嵐のスタンスがよく分かる。
15周年という節目に出すアルバムの1曲目に「ゼロ」を冠してくるあたりも。
“Knock it 軒並み Knock you out”
“Rock it ときめき Rock your world”
この辺りの言葉遊びが好き。

打ち込み曲ばかりで好きになれず、ほとんど聴かずに仕舞ってしまった数年前のアルバムを思い出す。私の音楽の好みも少し変わったし、他の誰かじゃなく、嵐が歌う意味のある曲だと思えるから受け入れられるのかもしれない。この曲で幕を開けるアルバム、ワクワクしかない。

02. Wonderful
jazzyな感じが堪らなく好き!
PE'Zか!ソイピンか!スカパラか!リトルファッツか!みたいな(めちゃくちゃ)
こんなテイストの曲も背伸びじゃなく等身大で歌えるようになったんですね…いや、もう三十路なのは分かってるけど。笑

03. Tell me why
最近のアルバムに1曲は入ってる、打ち込み失恋ソング。好きな層がある程度居るのかな。
サビへの盛り上がり方、からのサビがパッとしなくて肩すかしくらう。。

何も考えないで踊りたくなる。サカナクションセカオワすれすれの感じ。笑
「デジタリアン」って語感のファーストイメージはこんな感じだったな。
翔さんソロ曲『Fly on Friday』もなんとなく想起させる。(イメージとしての)ボカロ要素もあるかも。こういうのカップリングとかアルバムで聴きたいな〜ヤスタカ兄さんとのコラボとか今後ないかな。
"I'm in galaxy It's not fantasy"
このフレーズが何となくお気に入り。

05. Imaging Crazy (vo. Satoshi Ohno)
リーダーのソロ曲。アルバム初収録の『Rain』からブレない方向性。打ち込みで、どことなく危ない世界観。今回もまたストーカーっぽい。。
コーラスワークが全部リーダーなの胸熱。嵐の歌声の肝となってる人だなと改めて。
低音が翔さんの声とちょっと似ててびっくりした。翔さんが寄ったのかな?

06. GUTS! ★43rd Single
MVが可愛すぎて何度でもリピートできちゃう曲。
これはシングル単位で感想書いてます。
『Imaging Crazy』からの流れだと、「嵐っていろんな曲歌えるんだな…」ってしみじみ思える。

07. Disco Star (vo. Masaki Aiba)
「相葉ちゃん意味わかって歌ってる?」って思うフレーズが何ヶ所かある。またキー合ってないし。笑。低音でじっくり歌うのも聴きたいよー。
聴いてるうちに氣志團を思い出した。ウケ狙いの選曲としか思えない。笑
前回のソロ曲『夜空への手紙』で等身大の相葉雅紀を出してきたなと思ったら、またスーパーアイドル相葉ちゃんに戻ってて、このひとのそういうところが本当に好き。一番素っぽく見えてアイドルらしいひと。

08. 誰も知らない ★44th Single
タイトルで損してる気がする!普通に良い曲。死神くんの世界観で「一生」を歌う。
大野さん主演ドラマの主題歌に多いのは『Truth』然り『Monster』然り、壮大なオケが印象的な曲。人間じゃなかったり殺人犯だったり、現実離れしてる役のせいかな? そしてそういう曲は得てしてファン以外にもウケている印象。
“運命という言葉じゃ語れないストーリーを導く 永遠の彼方へ”

09. TRAP
キスマイにぜひ歌ってみてほしい。
『RIGHT BACK TO YOU』で翔さんが書いてたラップ詞を思い出した。
“明くる晩もまだまだ包囲内
だからって隙あらば逃げる事を理解”
いまやもうトラップの中。よくよく読むと怖いけど、自信に満ち溢れてる感じが格好良くも思える歌詞。

10. STAY GOLD (vo. Jun Matsumoto)
潤くんは今はこういう曲が好きなのかな。笑。そのときの好みがソロ曲に如実に出る人だなと思ってる。毎年いろんな曲で魅せてくれる。
歌声が年々甘くなる。
“最高のSTAGEを贈るよ”
なんて、有難きコンサート演出担当のお言葉(行けないけど)。
サビがポップで何度でも聴きたくなる。
どことなく真面目な言葉のチョイスは潤くん作詞のとこかな。いつか全編作詞曲も聴いてみたい。

11. Bittersweet ★42nd Single
失ショコの世界観にぴったりの素敵な曲。
潤くん主演ドラマの主題歌といえば、花男の主題歌三部作に代表されるラブソング。「少女漫画の主人公」という点ではある意味(大野さんと同じく笑)現実離れした役なんだけど、だからこそベタなラブソングがハマってきたりする。
そんな中でこの曲のテイストがちょっと違うのは、作中でサエコさんがただのヒロインではなく、ソウタの憧れの存在だったこと。
“君にもしも出逢わなければ まるで違う世界が見えていたんだ
確かなことがあれば 君がいるから ここに僕はいるよ”
この曲で歌われる「恋」は圧倒的な片想い。キスマイ『キミとのキセキ』同様、歌詞をアイドルに向けての気持ちとも重ねられる。
“叶わないけど愛おしい 僕を強くさせる”
すべてが詰まったワンフレーズ。

12. メリークリスマス (vo. Kazunari Ninomiya)
ある意味ファンタジー要素の強い、現実感がありそうで無い曲の連続。
ザ・アイドル曲をアイドル本人が作詞作曲してくる最高感…!AKBが歌ってもいいくらいだよこれ。。
最後のサビが最高にロマンチック。
雪の中のサンタクロースをケーキの上の苺に例える彼女とか可愛すぎるし、それが実際にのちゃんっていう意味の分からなさ。。そういえば珍しく女性目線じゃないのね。
デジタリアンってアルバムにバンド曲ぶっこんできて、モチーフもケーキを売るサンタのバイトだなんて、ちょっと、可愛すぎて怖いね!
すっかり小川貴史さんと組むのが定番になってきましたね。

13. キミの夢を見ていた
もう一対一のラブソングって歌わないんだろうな。というか、歌ったとしても、「5人」対「大勢」の曲になっちゃうんだろうな。
合唱曲みたいに綺麗に整えられてる。デジタル感も消えた。笑
2番が本当に嵐らしい歌詞。
“変わらないから ありのままを贈りたいよ”
“時代はどこまで 僕らを追いかけてくるだろう?
風を背に受けよう”
時代に追いつこう、トップになろうとしてたひとたちが歌うのがぐっとくる。
コンサートで聴いたら泣くなぁ。
“この素晴らしい世界でほら 君のことを見つけた”
嵐に対してそう思ってる人がたくさん居るんだろうな。

14. One Step
同じような曲が続いちゃった感。言いたいこと、歌いたいことがこの辺りなんだろうね。
翔さんはどうして口笛を吹いたのでしょうか。笑
それにしても、いつまでも綺麗な言葉を歌えるひとたちだなぁ。三十路でこの歌詞が嘘っぽくならないのが凄い。アイドルっていう職業の業の深さ。。

15. Hey Yeah! (vo. Sho Sakurai)
いまや嵐がシングルで出しそうな「ワールド感」溢れる曲を、あの尖ってた翔さんがソロでやるっていう時代の流れ方。あれだけ言葉ひとつひとつにこだわるひとがあえてつけるタイトル「Hey Yeah!」の重み。
このひとはいつも「自分が担う役割」を意識してるんだろうなぁ、なんて思わされる。アルバムのタイトル命名も然り、翔さんが嵐の発信地、言葉の代表なんだなとつくづく思わされる。
“この世界は Beautiful” だなんて、アルバム【Beautiful World】命名者の翔さんに歌われちゃったら信じるしかないよね。作詞はAKIRAさんだけど。
ラップ詞の寄り添い具合が半端なくて、もう一生ついていきます!って気持ちになった。
“your lifeと俺だって同じさキョーダイ”
くらいは言ってくれてたけど、
“いつでもそばにいるから大丈夫”
とまで言ってくれるとは。
まあ流石に、宇宙すら包み込む愛情” だけは笑ったけど。でかい男だね翔さん!笑

16. Hope in the darkness
W杯主題歌みたいな曲。最近アルバムに1曲は入るようになってきたな。。
何度も言われると本当にそう思いたくなるから不思議。この想いこそが暗闇の中の希望。
“素晴らしき明日へ”

17. Take Off !!!!!
タイトルの「!」が5個あるだけで泣ける。通常盤にしか入れないあたりあざといけど、それは大人の戦略だもんね。。
サビがアニメのOP並みにポップ。
晴れて我々はARASHIANSになった訳ですね。笑
最後、5つを6にしてくれて、ありがとう。
あれが「my fellow Americans」からきてるのであれば、「わが同胞の嵐の皆さん」って我々まで嵐に数えてくれてる訳ですよね。
嵐は私たちを理想郷に連れてってくれる飛行機で、Past and futureの滑走路を走ってて、乗りこめば、つまり共に行けば、空にだって触れられるんだよね。
ずっと戦ってきた嵐が、トップになろうとしてきた嵐が、“逆境を脱走” と歌えてしまう現実に泣けてくる。それでも尚、ちょっと攻めた歌い方してるのがまた。
“舞うからまだまだ”
なかなか芽が出なかったのに今やトップとってる自分たちを “秘蔵っ子” とか言えるの良いよね。
翔さんのメッセージ、絶対コンサートで盛り上がるやつ。
"This is our message. You know?
Everybody, what's our name? Ready? 3, 2, 1, come on!"


総括:やっぱり嵐が好き\(^o^)/!!笑
前作【LOVE】を越えてはこなかったけど、一時期の残念さと比べればケタ違いに素敵で、何度も聴きたくなる。
攻め続ける嵐にまだまだついていこうと思えました。

悩んだり怒ったり泣いちゃったりしながら

お腹が痛すぎて起き上がれず、はじめて会社を休んだ。病院に行くにも真っ直ぐに歩けず断念、水を飲むためにベッドと台所をよろよろと往復する様は我ながら惨めだった。

食欲も失ったのには笑った。夏バテしたって熱を出したって、ご飯を食べられなくなったりしないのに。

翌日お腹をさすりながら病院へ。診断は流行りの胃腸風邪。先生や看護師さんの穏やかな話し方に驚き、自分や周りが普段どれだけ声(と気)を張っているのだろうと思うと頭がクラクラした。
生まれてはじめての点滴はビビった割に全く痛くなくて、チューブの繋がる左手を「冷えるといけないからね」と布団の中に入れてもらった。故郷の母を思い出した。
自分のためにぽとりぽとりと落ちてくる雫を見つめながら、「優しくされたがってるんだなぁ」なんて思った。

◇◇

数日ぶりの出勤、突然休んでしまったのに、皆さんに温かく接していただいた。
「3ヶ月以内にみんな体調崩すものなんだよ、頑張ってる証拠だからさ」と言っていただいたときには不覚にも涙が出そうになった。まだまだ出来ないことばかりで、居るだけ手間をかけている自覚はおおいにあって。気を遣っていただいて申し訳なく、それ以上に、有難く思う。

◇◇

「新入社員の育ち方=先輩方の育て方」として評価されることは想像に難くないし、支社全体の評価に繋がることだって分かってる。だからこそ早く成長しなければと焦り、苛立つ。1出来るようになれば出来ないことが5も10も見えてきて。
 
そんな日々の悪役は結局自分に帰結するし、それはつまり「もっと良くなれる」という自分への期待の表れでもある。自分を憎んでいるように見えて、誰よりも信じている。

◇◇

いまいち上手くやれない日々。そこそこやれてた頃はこんなに人の目を気にしてなかったし、失敗することを恐れてもなかった。良くも悪くも遠慮なく。「出来る子」に甘んじていられた頃、根拠のない自信に満ちていた。

嫌われたくない。それが第一にきてしまうことを恥じ、悔やむ。

毎日失敗ばかりしてる気がしてたけど、できたときに褒められてないだけ。そしてそれって当たり前のこと。成長するにつれて叱られなくなるだけで、褒められたときはよっぽど凄いときなのかも。そう思うと褒められるために頑張りたいとも思える。

◇◇

「もっとこうした方が良いよ」ってアドバイスや注意をしてもらえるうちが華。更生の余地があるということ。言う気も失せるほど呆れ果ててしまわれる前に、まずは言われたことを完璧にこなせるように。それに慣れたらプラスアルファで返せるように。

157cmのままでは背伸びしたって180cmにはなれない。167cmになって、ヒールを履いて背伸びもできるようになれば、見える世界が変わるのかも。
もう入口から何歩か進んでいるのだから、進む資格がない訳じゃない。ちょっと複雑な迷路で方向を見失ってるだけ。

そんな風に自分で自分を信じてやらないと、夢なんてきっといつまでも叶わない。叶えるから「夢」と呼べるのであって、志半ばでは「願望」に過ぎないのだから。

◇◇

「真面目にやりすぎない」ことが大切だと諭してくださる先輩は、「心が折れたらお終い」だとも仰っていた。

いっぱいいっぱいだった時期、持って生まれたものについて言及され、自分そのものを否定されたようでしばらく引きずっていた。そのことを母にメールすると「あんたの良いところはあんたが思ってる十倍はあるのよ」との返信。その夜、部屋でひとり泣いた。

折れたってくっつければ良い。そのためには自分にとっての接着剤を沢山知っておく。モノでもコトでもヒトでもいいから、バリエーション豊富に。ひとつしかない心、失くしてしまう訳にはいかないのだ。

“怒られるけれどへこまない
タタカレてもヘコまない
そんな歌すら口遊んで。

日々是更新。
すこしでも早く、笑って振り返れるように。

嫌いだけど Miss you 好きだけど Hate you

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あたらしい街で自転車を買った。風に溶けている感覚が心地良い。知らなかった道が当たり前になる中、この街で暮らしていることが不思議に思えてくる。
憧れているのは「街」であって、「町」に住んでいては満たされないと思っていた。それがいざ街に住んでみると、治安の悪さを耳にしては怯える羽目になり、何もないけれど平和だった「東京らしくない」町を懐かしく思い出している。

規模の大きさが仕事への意欲に繋がっている自覚はある。一人一人の責任も大きければ実現できることの範囲もまた広く、期限付きであることを勿体なく思う反面、苦しく思い始めた自分もいる。

偉くなったものだと苦笑してみる。
何もできないくせに貰う数字は大きくなる。
忙しい先輩方の邪魔をしていることに申し訳なさでいっぱいになる。
せっかくサポートしてもらえてるのに応えきれなくて、空回って。
はやく追いつきたい、追い越したい。安心して任されてみたい。
明日もまた諭される。

気づけば一日が終わるはずの時間。
毎日が未知との遭遇
真っ白なノートがあっという間に埋め尽くされる。
見知った顔も増えていく。

知らないうちに髪が伸びて。
知らないお店がお気に入りになって。
知らない街がホームになって。
知らない顔で時は過ぎて。

大きな報告がしたいからその日までは頑張れる。シビアの中でたまに甘やかされていれば自分を騙しきれる。戴いた分、返せる人に。お荷物から同僚へのレベルアップ、第一ステージでクリアできるのかな。

失敗と反省と抱負のジェンガみたいな日々。抜き出して積まれて崩されて。
少しでも早く、笑って振り返れるようになりたい。

嫌いだけど会いたくなるし、好きだけど憎らしい。そんな毎日。


【♪】Base Ball Bear 5th Album【二十九歳】:一瞬の青春、渦状な日常。


01. 何才
【二十九歳】の1曲目は『何才』。【十七歳】の1曲目が『17才』だったことを思い出して、「これ以降の曲の時期を(未来も含めて)限定しない」ということかと解釈してみる。
ベボベらしさを感じるギターロック。
曲作りにおけるスタンスを歌っているように感じた。
・空き箱やゴミ箱の中からネタを探す
・“澱みからメロンソーダまで 翔け抜けたい”ベボベの曲にぴったりな例えだとしみじみ思う)
・“涙から笑顔まで / かなしみもしあわせも 網羅したい” 
そのうえで歌われる “欲しいのはすべてと言ったら いけないのかな” 、挑戦的な意欲が伝わるというか、これからもいろんな曲を歌ってくれるんだろうなと思わせてくれる。
『17才』がこれまでのBase Ball Bearなら、『何才』はこれからのBase Ball Bear.

02. アンビバレントダンサー
[アンビバレンス]同一の事象に対して、愛と憎しみのような相反する感情が同時に存在すること。
一瞬あたらしい概念のように感じたけれど、「DEATHとLOVE」「気持ちが良すぎて気持ちが悪い」etc. 思えば昔からベボベ(≒小出さん)は「アンビバレントダンサー」だった。
  “嫌いだけどMiss you 好きだけどHate you”
見透かされたようでドキッとした。
カッティングとベースのうねりが小気味良い曲。イントロ・アウトロのキラキラ感と、重めのギターもまたアンビバレント
  “明日が一体どこへ向かおうが
   君のままで踊れ”

現実化希望!!!!
c/w『senkou_hanabi』に比べて「現在」を歌っている感があった。
ここで “遠くの街へ逃げたくもなるけれど” と歌って、次の曲『Ghost Town』に繋がるんですね。
「ファンファーレを鳴らそう」と呼びかけておいて次の曲が「Ghost Town」って、まさに“交代で来る絶望と希望だ”。。

04. Ghost Town
死屍累々。未来になりきれなかった残骸たちが漂う街。この閉塞感、やるせなさ、もどかしさを断ち切るために「上京」という選択肢が出てくるのだろうけど、はじめから東京に生きる人は何処に逃げるのだろう?なんて。。
もがき苦しむ「僕」が浮かび上がる。

05. yellow
不穏なギターロック。歌詞が通常運転。檸檬タージュのフレーズの改変。“月が照らす都市はyellow”
誰の話かなって想像させられる。プロダクションと言えば、フィクションorノンフィクションの歌たち(『FICTION ONCE MORE』『君はノンフィクション』)。「(原義としての)アイドル」、つまり妄想と捉えて良いものか…現実か否かは追求すべき問題ではないのだけどね。笑

06. そんなに好きじゃなかった
雰囲気が一転、斉藤和義『ずっと好きだった』オマージュ。歌詞の書かれ方がベボベっぽくなくて新鮮。全体的にちょっとおバカな感じが良い。出口さん&モノマネのマナブさんが出てくるあたり妙にリアル。笑
2番のどんでん返しにびっくりした。“花は枯れ 色は褪せ 僕は荒れ 世界は滅びました” (笑)
甘いサイダーじゃなくてほろ苦い缶ビールを飲んじゃうあたり、年齢を感じたな。
曲の感想じゃないけど「そんなに好きじゃなかった」って超絶傷つくからね。意味わかんないから。黙っとけよって思うからね、ほんとに。笑

07. The Cut -feat. RHYMESTER-
最the高。
ここまでの曲で「こいちゃんアイドルと恋愛してるのかな…」「半年前にフラれたのかな…」とか憶測してたのを “君の目で見つめな すべてを” ってぶった切られる(笑)
改めてぐさぐさと刺さってくる、『ERAい人』への痛烈なワードの数々。

08. ERAい人
派生というか、2曲で1曲というか。衝動に任せてるようで計算済の見せ方。
[era] 時代、時期。
今の人、今っぽい人、流行に乗ってる人…それと[偉い]をかけてるのかな。そちら側にはなれないし、なりたくもない、“僕ら” “僕たち” への皮肉めいた批判。

09. 方舟
小出さん、モチーフとしての舟がお好きなのかしら。豪華客船とか幽霊船って前にも歌詞に出てきたよね。派手な人達から中身のない人達、いまにも溺れそうな人達が行き交う波=音楽シーン? 自分が乗るのは救命ボート。助けてほしい、と捉えていいのかなぁ。
「普通」を意識したアルバムで「違い」を気にしている姿。

10. The End
ファイナルファンタジーパンデモニウム。。個人的に銀魂のほうを先に思い出した。笑
諦めに似た覚悟のようなものを感じた。「終わった…」って呟くあの感覚。すべてを受け入れて。僕の人生は、To Be Continued.(= “終わりはそう、終わりじゃない” “ラストシーンはスタートラインでしかない” 
過去・現在・未来は繋がってる。

11. スクランブル
小出さんといえば渋谷、渋谷といえばスクランブル交差点。二項対立が乱舞る。
関根嬢と小出さんのハモりが美しくて透き通った気持ちになる。リズム隊の気持ち良いグルーヴも癖になりそう。
改めて、小出さんの歌詞の単語や言い回しって小説めいてる。「端役」なんてまさに。

12. UNDER THE STAR LIGHT
早弾き気持ちいい! 関根嬢のコーラスの清涼感。はやくライブで聴きたいな。
ずっと駆け抜けてるのは焦ってるから?
歌詞を見ずに聴いてるうちは甘い歌に思えていたけど、
“誰も知らない 誰の目も声も届かない
僕らにしか行けない 心の中へ” 
続く感じ、次の曲を考えると不穏でしかない。

こんなに明るい曲調なのに、歌詞は自ら命を絶った少女の歌。『UNDER〜』からも鑑みるに、舞台が “心の中” であるとするなら、この2曲の「君」=彼らにとって「青春の象徴」だった黒髪の少女。その彼女を殺させたことで、彼らの旧い章の終わり(=新しい章のはじまり)を予感させる。
“君がいて僕がいた日々はきっと 永遠の瞬間” =青春。“青い君は美しくなる” というフレーズも然り。「完璧な青」って、もう何にも染まらない、変わることのない青い時代のことだったのかな。この曲をシングルカットしたことすらアルバムの伏線だったのか。
“僕は君の知らない季節を さぁ、行こう” =青春からの決別。“君は翔んだ あの夏の日” というのもまた、夏のバンドと言われていた彼らからの決別なのだろうか。
“会いたいよ また、君に” 。「さよならまたね」なのか、「青春と同じくらい重みのある時代をまた過ごしたい」なんて意味もあるのか。
“もうすぐ 夏がくる” =君の居ない夏≒いままでと違う夏への決意、気合い?

14. 光蘚
8分超えの大作。歌詞を読みながら聴いていたら涙が出そうになった。ライブで味わった、飲み込まれるような感覚をまだ覚えている。「君」へのドロドロした気持ちの渦に食らわれてしまいそうになる。あんなに似ている存在と言われながら、どこで分かれてしまったのか。“君が待つあの丘には行けない どうしても” と言い切ってしまっているのが切ない(行きたくない、の意も含まれていそう)。いまの状況を “這いつくばって” と表現しているのもまた。
提供曲がアルバムに入ってラッキー、くらいの気持ちだったけど、意味があって収録されたんだなと改めて。恐怖心すら煽られる “食らって” というワードも、作品になぞらえているようで本音なのかと思うと、「僕」の抱えているものの重さに戦慄する。

15. 魔王
光蘚と2曲で1つの曲、という印象。方舟とも歌詞がややリンク。人生観?
“苔みたいに僕らしく輝きたい” っていう例えがユニーク。
光蘚の “光が差し込むあの丘に” いる「君」=“光射すあの丘に 旗を立てた彼”。より対象が明確になってしまっている。
  “それでも、僕でありたい” “僕らしく輝きたいから” それがすべて。
  “いないことにされてた 僕の呪いが
君の傷を癒す お呪いになりますように”
このフレーズに救われるリスナーは多いだろうし、呪いがお呪いになることで「僕」自身も救われるのかなぁなんて思った。
  “変われない僕を連れて そのままで”
※[のろい]災いが生ずるよう念じること。
[まじない]災いを逃れようとすること。

堀之内さんのカウントに笑みがこぼれてしまう。そういえば【十七歳】の最後の曲『気づいてほしい』もこんなカウントから始まっていた。
1行目からぐっとくる。
  “あざといことしなくていいとわかってるのになぜしてしまうんだろう”
2番の始まりも、最近ずっと考えていたことだったから抵抗なく心に入ってきた。「失くす」というのは「持った」ということで、持たなかったこととは明らかに違う。
今作は希望めいて終わるから本当に良かった。解散するんじゃないかと何度も感じたけれど、もうしばらく奏で続けてくれそうだと思えた。
  “自分を信じられることがあるから
    救われるよな”
最後の別曲のようなメロディー、なんとなく【フルハウス】を想起した。エンディングテーマのような。あれもまたエンディングだけど次の話があるっていう類のやつ。

総括:一瞬の青春、渦状な日常。青春は美しくパッケージングされ、日常はどうしようもなく「リアル」で、終わらなくて。でも生きているのは確実に日常のほうで。
「普通」を模索しながら「僕のままで」歌っていくことを決意・宣言した、セルフタイトルすら似合いそうなアルバムだと思った。

歌詞カードの縦書きと横書きの意味、単に「明るい / 暗い」「絶望 / 希望」とかじゃなさそうだし、何か見つけられたらな。あと最後のページの微笑ましさ。その空気感すらちょっと新鮮で、「これまで」と「これから」を想いました。

二十九歳(初回限定盤)(DVD付)

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