Sing a song for today

明日を憂う前に、今日を生きる。今日を唄う。

嫌いだけど Miss you 好きだけど Hate you

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あたらしい街で自転車を買った。風に溶けている感覚が心地良い。知らなかった道が当たり前になる中、この街で暮らしていることが不思議に思えてくる。
憧れているのは「街」であって、「町」に住んでいては満たされないと思っていた。それがいざ街に住んでみると、治安の悪さを耳にしては怯える羽目になり、何もないけれど平和だった「東京らしくない」町を懐かしく思い出している。

規模の大きさが仕事への意欲に繋がっている自覚はある。一人一人の責任も大きければ実現できることの範囲もまた広く、期限付きであることを勿体なく思う反面、苦しく思い始めた自分もいる。

偉くなったものだと苦笑してみる。
何もできないくせに貰う数字は大きくなる。
忙しい先輩方の邪魔をしていることに申し訳なさでいっぱいになる。
せっかくサポートしてもらえてるのに応えきれなくて、空回って。
はやく追いつきたい、追い越したい。安心して任されてみたい。
明日もまた諭される。

気づけば一日が終わるはずの時間。
毎日が未知との遭遇
真っ白なノートがあっという間に埋め尽くされる。
見知った顔も増えていく。

知らないうちに髪が伸びて。
知らないお店がお気に入りになって。
知らない街がホームになって。
知らない顔で時は過ぎて。

大きな報告がしたいからその日までは頑張れる。シビアの中でたまに甘やかされていれば自分を騙しきれる。戴いた分、返せる人に。お荷物から同僚へのレベルアップ、第一ステージでクリアできるのかな。

失敗と反省と抱負のジェンガみたいな日々。抜き出して積まれて崩されて。
少しでも早く、笑って振り返れるようになりたい。

嫌いだけど会いたくなるし、好きだけど憎らしい。そんな毎日。


【♪】Base Ball Bear 5th Album【二十九歳】:一瞬の青春、渦状な日常。


01. 何才
【二十九歳】の1曲目は『何才』。【十七歳】の1曲目が『17才』だったことを思い出して、「これ以降の曲の時期を(未来も含めて)限定しない」ということかと解釈してみる。
ベボベらしさを感じるギターロック。
曲作りにおけるスタンスを歌っているように感じた。
・空き箱やゴミ箱の中からネタを探す
・“澱みからメロンソーダまで 翔け抜けたい”ベボベの曲にぴったりな例えだとしみじみ思う)
・“涙から笑顔まで / かなしみもしあわせも 網羅したい” 
そのうえで歌われる “欲しいのはすべてと言ったら いけないのかな” 、挑戦的な意欲が伝わるというか、これからもいろんな曲を歌ってくれるんだろうなと思わせてくれる。
『17才』がこれまでのBase Ball Bearなら、『何才』はこれからのBase Ball Bear.

02. アンビバレントダンサー
[アンビバレンス]同一の事象に対して、愛と憎しみのような相反する感情が同時に存在すること。
一瞬あたらしい概念のように感じたけれど、「DEATHとLOVE」「気持ちが良すぎて気持ちが悪い」etc. 思えば昔からベボベ(≒小出さん)は「アンビバレントダンサー」だった。
  “嫌いだけどMiss you 好きだけどHate you”
見透かされたようでドキッとした。
カッティングとベースのうねりが小気味良い曲。イントロ・アウトロのキラキラ感と、重めのギターもまたアンビバレント
  “明日が一体どこへ向かおうが
   君のままで踊れ”

現実化希望!!!!
c/w『senkou_hanabi』に比べて「現在」を歌っている感があった。
ここで “遠くの街へ逃げたくもなるけれど” と歌って、次の曲『Ghost Town』に繋がるんですね。
「ファンファーレを鳴らそう」と呼びかけておいて次の曲が「Ghost Town」って、まさに“交代で来る絶望と希望だ”。。

04. Ghost Town
死屍累々。未来になりきれなかった残骸たちが漂う街。この閉塞感、やるせなさ、もどかしさを断ち切るために「上京」という選択肢が出てくるのだろうけど、はじめから東京に生きる人は何処に逃げるのだろう?なんて。。
もがき苦しむ「僕」が浮かび上がる。

05. yellow
不穏なギターロック。歌詞が通常運転。檸檬タージュのフレーズの改変。“月が照らす都市はyellow”
誰の話かなって想像させられる。プロダクションと言えば、フィクションorノンフィクションの歌たち(『FICTION ONCE MORE』『君はノンフィクション』)。「(原義としての)アイドル」、つまり妄想と捉えて良いものか…現実か否かは追求すべき問題ではないのだけどね。笑

06. そんなに好きじゃなかった
雰囲気が一転、斉藤和義『ずっと好きだった』オマージュ。歌詞の書かれ方がベボベっぽくなくて新鮮。全体的にちょっとおバカな感じが良い。出口さん&モノマネのマナブさんが出てくるあたり妙にリアル。笑
2番のどんでん返しにびっくりした。“花は枯れ 色は褪せ 僕は荒れ 世界は滅びました” (笑)
甘いサイダーじゃなくてほろ苦い缶ビールを飲んじゃうあたり、年齢を感じたな。
曲の感想じゃないけど「そんなに好きじゃなかった」って超絶傷つくからね。意味わかんないから。黙っとけよって思うからね、ほんとに。笑

07. The Cut -feat. RHYMESTER-
最the高。
ここまでの曲で「こいちゃんアイドルと恋愛してるのかな…」「半年前にフラれたのかな…」とか憶測してたのを “君の目で見つめな すべてを” ってぶった切られる(笑)
改めてぐさぐさと刺さってくる、『ERAい人』への痛烈なワードの数々。

08. ERAい人
派生というか、2曲で1曲というか。衝動に任せてるようで計算済の見せ方。
[era] 時代、時期。
今の人、今っぽい人、流行に乗ってる人…それと[偉い]をかけてるのかな。そちら側にはなれないし、なりたくもない、“僕ら” “僕たち” への皮肉めいた批判。

09. 方舟
小出さん、モチーフとしての舟がお好きなのかしら。豪華客船とか幽霊船って前にも歌詞に出てきたよね。派手な人達から中身のない人達、いまにも溺れそうな人達が行き交う波=音楽シーン? 自分が乗るのは救命ボート。助けてほしい、と捉えていいのかなぁ。
「普通」を意識したアルバムで「違い」を気にしている姿。

10. The End
ファイナルファンタジーパンデモニウム。。個人的に銀魂のほうを先に思い出した。笑
諦めに似た覚悟のようなものを感じた。「終わった…」って呟くあの感覚。すべてを受け入れて。僕の人生は、To Be Continued.(= “終わりはそう、終わりじゃない” “ラストシーンはスタートラインでしかない” 
過去・現在・未来は繋がってる。

11. スクランブル
小出さんといえば渋谷、渋谷といえばスクランブル交差点。二項対立が乱舞る。
関根嬢と小出さんのハモりが美しくて透き通った気持ちになる。リズム隊の気持ち良いグルーヴも癖になりそう。
改めて、小出さんの歌詞の単語や言い回しって小説めいてる。「端役」なんてまさに。

12. UNDER THE STAR LIGHT
早弾き気持ちいい! 関根嬢のコーラスの清涼感。はやくライブで聴きたいな。
ずっと駆け抜けてるのは焦ってるから?
歌詞を見ずに聴いてるうちは甘い歌に思えていたけど、
“誰も知らない 誰の目も声も届かない
僕らにしか行けない 心の中へ” 
続く感じ、次の曲を考えると不穏でしかない。

こんなに明るい曲調なのに、歌詞は自ら命を絶った少女の歌。『UNDER〜』からも鑑みるに、舞台が “心の中” であるとするなら、この2曲の「君」=彼らにとって「青春の象徴」だった黒髪の少女。その彼女を殺させたことで、彼らの旧い章の終わり(=新しい章のはじまり)を予感させる。
“君がいて僕がいた日々はきっと 永遠の瞬間” =青春。“青い君は美しくなる” というフレーズも然り。「完璧な青」って、もう何にも染まらない、変わることのない青い時代のことだったのかな。この曲をシングルカットしたことすらアルバムの伏線だったのか。
“僕は君の知らない季節を さぁ、行こう” =青春からの決別。“君は翔んだ あの夏の日” というのもまた、夏のバンドと言われていた彼らからの決別なのだろうか。
“会いたいよ また、君に” 。「さよならまたね」なのか、「青春と同じくらい重みのある時代をまた過ごしたい」なんて意味もあるのか。
“もうすぐ 夏がくる” =君の居ない夏≒いままでと違う夏への決意、気合い?

14. 光蘚
8分超えの大作。歌詞を読みながら聴いていたら涙が出そうになった。ライブで味わった、飲み込まれるような感覚をまだ覚えている。「君」へのドロドロした気持ちの渦に食らわれてしまいそうになる。あんなに似ている存在と言われながら、どこで分かれてしまったのか。“君が待つあの丘には行けない どうしても” と言い切ってしまっているのが切ない(行きたくない、の意も含まれていそう)。いまの状況を “這いつくばって” と表現しているのもまた。
提供曲がアルバムに入ってラッキー、くらいの気持ちだったけど、意味があって収録されたんだなと改めて。恐怖心すら煽られる “食らって” というワードも、作品になぞらえているようで本音なのかと思うと、「僕」の抱えているものの重さに戦慄する。

15. 魔王
光蘚と2曲で1つの曲、という印象。方舟とも歌詞がややリンク。人生観?
“苔みたいに僕らしく輝きたい” っていう例えがユニーク。
光蘚の “光が差し込むあの丘に” いる「君」=“光射すあの丘に 旗を立てた彼”。より対象が明確になってしまっている。
  “それでも、僕でありたい” “僕らしく輝きたいから” それがすべて。
  “いないことにされてた 僕の呪いが
君の傷を癒す お呪いになりますように”
このフレーズに救われるリスナーは多いだろうし、呪いがお呪いになることで「僕」自身も救われるのかなぁなんて思った。
  “変われない僕を連れて そのままで”
※[のろい]災いが生ずるよう念じること。
[まじない]災いを逃れようとすること。

堀之内さんのカウントに笑みがこぼれてしまう。そういえば【十七歳】の最後の曲『気づいてほしい』もこんなカウントから始まっていた。
1行目からぐっとくる。
  “あざといことしなくていいとわかってるのになぜしてしまうんだろう”
2番の始まりも、最近ずっと考えていたことだったから抵抗なく心に入ってきた。「失くす」というのは「持った」ということで、持たなかったこととは明らかに違う。
今作は希望めいて終わるから本当に良かった。解散するんじゃないかと何度も感じたけれど、もうしばらく奏で続けてくれそうだと思えた。
  “自分を信じられることがあるから
    救われるよな”
最後の別曲のようなメロディー、なんとなく【フルハウス】を想起した。エンディングテーマのような。あれもまたエンディングだけど次の話があるっていう類のやつ。

総括:一瞬の青春、渦状な日常。青春は美しくパッケージングされ、日常はどうしようもなく「リアル」で、終わらなくて。でも生きているのは確実に日常のほうで。
「普通」を模索しながら「僕のままで」歌っていくことを決意・宣言した、セルフタイトルすら似合いそうなアルバムだと思った。

歌詞カードの縦書きと横書きの意味、単に「明るい / 暗い」「絶望 / 希望」とかじゃなさそうだし、何か見つけられたらな。あと最後のページの微笑ましさ。その空気感すらちょっと新鮮で、「これまで」と「これから」を想いました。

二十九歳(初回限定盤)(DVD付)

二十九歳(初回限定盤)(DVD付)

You make my days lovable

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もうすぐここから居なくなるのかと思うと少し泣けてくる。見慣れた風景を惜しむように目に焼きつければ、日常が想い出に変わる。

引越準備に追われながら感じる、誰かが居てくれる有り難み。ひとりは気楽だけど寂しくて、この感覚が人生観そのものなのかもしれないとすら思う。

未知の世界に溢れるキラキラはガラスの破片のようで、好奇心を満たすには血を見る覚悟も必要になる。それでも、恐怖で速まる鼓動を高鳴りとすれば、何処でだって生きていける気がする。

弱さで武装した強さはいつだって脆くて儚げで危うい。手を繋いでいてほしくなる夜に、飲み込まれてしまわないように。

またひとつ歳をとりました。
何が変わる訳でもないとは思いつつ、着実に歳を重ねていく感覚に怯えてみたり。
お祝いしてくださった(特に一緒に過ごしてくれた)皆様、ありがとうございました。心から嬉しく思います。

いつだって前に向かっていけるのはひとりじゃないと思えるから。

You made my day, 
and always make my days lovable. xxx

愛しい空っぽを抱きしめて

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夜を歩きたくなる季節になった。「夜に」ではなく「夜を」。澄んだ空気に飲み込まれて芯から冷えきってしまうこともなく、適度に身体を涼ませながら、夜と対等になって。

居たいのは街であり都市であって町ではないと思う反面、誰も知らない私になって、ゼロから始めてみたくなる。

考えたくなくて目を閉じたのに、夢の中でも考えていた。止まってしまった時計の針は、放置したって進むことはない。必要なのは電池交換か、はたまたゼンマイを巻いてやるべきか。自分でやるにしても誰かにしてもらうにしても、まず止まったという事実を受け止めなくては始まらない。それを心が拒否したとしても。

2日だけ帰省して、実家の引越作業に立ち会った。土足で上がる煤けた部屋。思っていた以上に何も無く、心の置き場すら見つからない。そんな空っぽの家の庭で、いつもと同じように咲いていた花。変わってほしくなかったものを思い出しきれなくて泣いた。 

殺すより生かすことのほうが難しく、育てるなんて尚更。果てしないようで保証のない未来に、どれだけのひとに返したり渡したりできるだろう。享受するばかりで居ては間に合わない気がしてくる。

そんな中で開いた「誰でも来ていいよ」の会で、新たな繋がりができる瞬間を見て、これがやりたいことだと再確認した。交点となる場をつくること。好きと好きを結ぶこと。さらにそこから何かを生み出せたら良い。その軸になることを嬉しく思う。

未来とはビジョン。
見えているうちは、生きていられる。


♪HAPPY - BUMP OF CHICKEN

HAPPY

HAPPY

 

BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]

BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]

【♪】TAMTAM Major Debut Album【For Bored Dancers】:ラストシーンだけは黒く染めないように

クライマクス

クライマクス


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挑戦的ともとれるタイトルにぐっとくる。ダブの曲調が気持ちよくて、退屈しのぎに踊るには勿体ない曲ばかり。1曲目のクライマクスから、心がきゅっとして涙が出そうになる。
どんどん憂いを帯びて素敵になる、Kuroさんの訴えかけるような歌声。


01. クライマクス
先行シングルで聴いたときから大好きな曲。始まりを予感させるイントロからして最高。
“クライマクス 好きにすればいい
あしたすべてが壊れるかも”
身体が自然に音に合わせて揺れて、こんな風に「踊らされる」なら本望。

02. デイドリーアンドマリー
ライブに行くときの気持ちってこんな感じかも。現実を忘れさせてくれる場。
“ひとりでもダンスダンス 踊ろう
理由なんてないよ 頭からっぽにしたいだけ”
女声ボーカルと男声コーラス(ともみんさんかな?)、自分の中ではわりと新鮮で好きです。

03. シューゲイズ
1月のライブで聴いたときから素敵だなと思っていたので、収録されて嬉しい。トランペットが印象的な曲。キーボードの響き方とベースラインにTAMTAMらしさを感じる。
“強がりなぼくは 泣けないから shoegaze” 
何度も繰り返されるこのフレーズが好き。別れのときって、どうして素直になれないんだろう。

04. フリー
jazzyなテクノ、不思議な重みのある曲。切り貼りされる無機質な声に絡みつくような楽器群。間奏のギターに持っていかれそうになる。
“自由はパラダイス”

05. バイマイフューチャー
近未来感。サカナクションが好きなひとに勧めてみたい曲。“思い出されることすらないでしょう” と未来に手を振りながら、“だれかは忘れないで” と締めるのに切なくなる。

06. トゥナイト
Kuroさんの伸びやかな高音が美しい曲。転がるようなピアノとギター、エコーのかかった歌声、這うようなベース、刻み続けるドラム。宇宙を感じさせる終わり方。何処かへ連れていかれてしまいそう。否、いっそ連れ去ってほしい。

★MV【クライマクス】
小気味の良い浮遊感が癖になる。CGの宇宙空間を、うごめく絵の具の中を、既視感のある公園を、ぐるぐる何かになって漂う。圧倒的重力感に吸い込まれそうになって、ともすれば酔ってしまいそうになるのは、まさにTAMTAMの世界観のようで。


はやくライブにいきたい。無になって踊りたい。無駄でも無力でもなく、無色透明になって。
  “フーアムアイ?”
  “アイアム マリー”

For Bored Dancers

For Bored Dancers