Sing a song for today

明日を憂う前に、今日を生きる。今日を唄う。

わがままな僕らは期待を

まばたき

まばたき


哀しみの実感は遅れてやってくる。
離れて暮らす人は皆、生きてるって信じてるから生きてる。死んだと聞くまで生きている。

報せは突然。
小中の同級生が自らこの世を去った。
信じられなかった。未だに実感は無い。

昔からやんちゃだったけど根は良い奴で。
近所に住んでいた時期もあった。
先生にお姉ちゃんと弟みたいだと言われたこともあった。

中学卒業以来、会ったのは成人式後の同窓会の一度きり。
「二次会行く?」の問いに
「俺、明日仕事だから」と答えていて。
「俺も大人になったのよ」なんて笑ってた。

Facebookは繋がっていたけど特別絡むこともなく。
当たり前のように、離れた場所で、生きてるものだと思っていた。

報せを受けて思わず母親に電話した。
そういうのから一番遠い感じだったのにね、と母は言った。
妹も彼を覚えていて、ショックだったね、と私を気遣ってくれた。

無性に哀しい。
彼が居なくなったのは勿論、
生きてると信じている脆さが哀しい。

何となく思い出せるのは中学の時の幼い顔。
お線香をあげに戻りたいけど、物理的にも精神的にも遠いのがもどかしい。
抜け出したくて堪らなかった、今や家すら無い町。

何があったのかも知らずに迂闊なことは言えないけど、それでも。
なんで死んじゃったんだよ。
ばかやろう。
かなしいよ。

“わがままな僕らは期待を
たいしたことも知らずに
手招きをしている未来のせいで
家をまた出る”
(まばたき - フジファブリック

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