🎥 映画【永遠の0】:生きたいと言えなかった時代
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テレ東でドラマ版が放送されてたので、書きかけだったものを引っ張り出してきた。
▼時代感と主人公
・死を死でもって弔おうとする時代の異常さ。突き進むしかなかった哀しさ。違う世界の出来事のようで、たしかに現実に起きていることだと思うと恐ろしくなる。愛する人のために生きることは許されず、死ぬことが美徳とされた時代。
・岡田准一さん演じる宮部久蔵は、家族想いの賢いひと。誤った方向へと突き進む軍の上層部との対比。
▼被害者
【風立ちぬ】を観たときもそうだったけど、私は薄幸のヒロインに弱い。感情移入してだいたい泣く。健気に頑張る奥さん。死の便りは必ずしも届かない中、信じることしかできない辛さ。
最前線で戦うのは男性でも、女性だって子どもだって搾取されたり酷い思いをさせられたりしていて、国民は戦争の前で等しく被害者なのだと改めて思う。
▼若者像
途中で出てくる友人たち&合コン相手の女達が、いかにも馬鹿っぽくて呆れた。今時の若者像のつもりかもだけど、「サイパン沖縄ハワイ」なんてわかりやすいチョイスするか!笑。そもそも4年も司法浪人してる奴を合コンに誘うか…。
「若者は何も考えてない」って言われた気分になった。
▼気になったところ
全体的に悪くなかったけど、終盤のおじいちゃんの台詞は若干押し付けがましく感じた。「生き残るとはそういうことだ」とか、観た側が感じればいいことであって。ここでも若者が見くびられてるように感じてしまった。
▼全体
・戦時中と現代、2軸で描き出される様は観ていて不思議な気分にさせられた。確実に連続していることを実感する。
・「犠牲の上に自身の生が成り立つ」というのが、入れたかった思想のひとつなのかなと。
・「戦争は良くない」という思想は良くも悪くも押し付けてこない。ただし戦争そのものは否定しつつも、特攻隊個人へ感情移入させられることによって、どこか礼賛・美化している風になっているのが気にかかった。
・原作読めてなくて、映画観た後は読む気もなくなってしまったのだけど、著者の別作品も合わせて読んでみて、また考えたい。
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