Sing a song for today

明日を憂う前に、今日を生きる。今日を唄う。

🎥映画【バイロケーション 表】:「もうひとりの自分」が揺るがすアイデンティティ

公式サイト:http://www.bairoke.jp/

書くのが遅くなっちゃった。ネタバレ含みます。

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予想以上に面白くて見応えがあった。ホラー映画ということでビビってたけど、ミステリー要素も強く、後半の畳みかけるような「そうくるか!」攻撃にやられっぱなし。アイデンティティや自分そのものについて考えたくなる作品だった。思い返せば矛盾が気になってきてしまうので、ああいうミステリーの類は心をフラットにして、単純にすべてを受け入れる姿勢で観るのが良いのかもしれない。もちろん矛盾を感じさせないのが一番なんだけどね。
 
バイロケはオリジナルよりキャラが濃いとされてるけど、高村さんより桐村さんのほうが荒んでてバイロケっぽかった。他の人たちのバイロケが攻撃的だった分、余計に。それであのラストだから、切なくて、涙が出た。
夢を追って1人で生きていくのか、結婚して家庭に入って幸せになるのか。
高村さんが事実を突きつけられるシーン、苦しかった。自分がバイロケだとしてもオリジナルと思って生きてしまう罪深さ。他者との交流も持ってしまっている分、高村さんのほうがよほど人間らしく幸せに生きていた。
望んだ人生を生きる「もうひとりの自分」の存在が、自らの存在意義を問う。私は私の人生を、存分に生きられているのだろうか。もっと違う生き方が出来たのではないか。
 
願望と課題・自由と抑制の狭間で、こんなときバイロケは発生するのかと思わされる。私のバイロケが生まれるとしたら、要領の良い奴かな。余計なことを言わず、物事に何でも素直に取り組んでいくような。もしくは好きなことしかしないで、常に荒ぶる駄目人間か。笑
和解して共存、私は無理だろうな。違う道を進む自分はもはや他者であって、その存在に嫉妬してしまうから。
 
主婦の門倉さんのバイロケが切なかった。子どもを殺さないように…それは同時に自分をも守ることになるんだよね。
オリジナルの方が「殺されるべき存在」になるの、アイデンティティをぐらぐら揺らされた気分だった。
 
最後にたくさん種明かしをされて、確認のためにもまた観たくなるんだけど、そこで結末の違う「裏」の存在。そりゃ観ちゃうでしょ。笑。某レビューサイトでは「表との違いが結末の数分のみだから」ということで裏が酷評されてるんだけど、もう一度トリックをわかった状態で観たいから、逆に好都合かな。笑。作品自体の気になった点がいろいろあったので、裏を観た後にまた書こうと思います。
 
★3.5